「長時間労働がつらい」「人間関係に悩んでいて辞めたい」、そう思いながら働いている方も多いでしょう。
パートは楽そうでいいね、なんて言われるけれど、実際そんなことはありません。
今後のライフプランを考えるときの参考にしてみてください。

調剤薬局の薬剤師として5年、病院薬剤師として10年勤務。
現在は病院薬剤師として働きながら面接官なども担当。
パート勤務薬剤師を辞めたいと思ったらやるべきこととは?
薬剤師を辞めたいと思ったらまず何から始めるべきでしょうか?
あなたが体調を崩したり、精神的に辛い時にはすぐ辞める判断も必要です。
まだもう少し頑張れる方は、すぐ辞める以外のことも試してみてください。
ブランクが空いても良ければ休む
あなたの健康を第一に考えて、辛い時は休みましょう。
数か月ブランクが空いても、よほど厳しい条件で探さなければ次の転職先は見つかります。
まずは体調の回復を優先して、ゆっくり休むことも考えてみてください。
収入や職場の忙しさなどで辞めることが難しい方は、数日でもいいので仕事のことを考えずに休める期間を持つこともおすすめです。
自分の考えや仕事への向き合い方が整理できるでしょう。
辞めたい理由を考える
辞めたいと思ったとき、何が原因で辞めたいのか考えることもおすすめします。
しっかりと辞めたい理由を分析しておかないと、やみくもに辞めて次へ行って…を繰り返していては落ち着いて働けません。正社員やキャリアアップをしたいのであればなるべく転職を繰り返さずに落ち着いて働く方がよいでしょう。
転職を繰り返していると、辞めたい理由を環境のせいにしてしまうこともよくあるので、深掘りして考えてみることが必要です。
長時間労働で辞めたいと思っていたけど、本当に嫌なのは上司との人間関係だった、ということもあるでしょう。紙に書き出して整理してみても良いかもしれません。
誰かに相談する
仕事への不満や、将来への不安は誰かと共有することで少し気が楽になります。
仕事を辞めたいと思ったら誰かに相談してみましょう。
仕事の愚痴は内情を知っている同僚と話せたら良いですが、職場内で愚痴を言うと人間関係を悪化させる可能性もあります。
事情を深くは知らない家族や友人などに話した方が、第三者の目線からの言葉でハッとすることもあるかもしれません。
とにかく今の気持ちを吐き出してみることが大切です。
働き方を見直す
辞めたい理由に合わせて、今後の働き方を見直してみても良いかもしれません。
「今はパートで働いているけど、子供が成長したら正社員で働きたい」と思っている方もいるのではないでしょうか。
今後のキャリアを考えたときに給料がいいのは正社員、もっと知識を付けられるところで働きたい、など様々な角度から働き方を考えてみることをおすすめします。
あなたが考えて出した答えなら、家族も応援してくれるはずです。
転職サービスに登録する
今すぐ辞めたいわけではないけど将来的には…と考えている方は、転職サービスに登録だけでもしておきましょう。
転職サービスは無料で利用できるので、気になる求人を探してみるだけでも視野が広がります。
この職場に居続けなくても次があると思えるだけで心が軽くなります。
本格的に活動する際には複数のサービスを登録しておくと、より自分に合った求人を見つけやすいでしょう。
パート勤務薬剤師を辞めたいと思う理由は?
パートで働いている薬剤師が辞めたいと思う理由は様々です。
パートという勤務形態は問題なくても、職場環境で辞めたいと思う場合もあるでしょう。
ここでは、パート勤務の薬剤師を辞めたいと思ってしまう理由について掘り下げていきます。
給与が低い
責任ある仕事を任されているのに給与が低いと辞めたいと思うことが多いようです。
働く時間帯や、地域、職場によって得られる給与は変わってきますが、正社員と同じように仕事をしていても一般的に給与は低くなります。
家庭の事情でパートで働くことを選択している方もいると思いますが、給与が低いと働く意義を感じられず辞めたいと思うのです。
子供の送迎や家事分担がしやすいメリットはありますが、将来的にはもう少し収入を得たいと思うようになるかもしれません。
製薬会社などであればパート勤務でも平均時給が高くなるので、転職先を探してみてもよいでしょう。
福利厚生が少ない
給与だけでなく、福利厚生が正社員に比べて少ないことも辞めたいと思う理由の1つです。
正社員の4分の3以上働くパート社員も福利厚生の対象となります。
思うように福利厚生が受けられない場合は、働く時間や業務量を調整してみてはいかがでしょうか。
会社によってはレジャーのための補助金や、アニバーサリー休暇などユニークな福利厚生制度を取り入れている会社もあります。
会社選びの際に福利厚生を重視する場合は、こういった制度も調べておくとよいでしょう。
人間関係がつらい
薬剤師を辞めたいと思う大きな理由が人間関係です。
悩みの大半は人間関係といってもよいくらい、働きやすさに直結します。
薬剤師の場合は職場が狭いことや、女性が多い職場であることも人間関係の悪化につながりやすいのです。
あなたの努力で改善する場合もありますが、悪化した人間関係のほとんどは回復することはありません。相性の悪い上司に何か言われる場合はスルーするスキルを身につけるか、職場を変えるしか選択肢はありません。
仕事が忙しい
パートで働いていると勤務時間を1時間以上超過して働くことはあまりないでしょう。
それでも、決められた時間内で目まぐるしく働いている場合は忙しさから辞めたいと思うようです。
勤務時間を調整するためにパートで働いているのに、ハードワークすぎると身体を壊してしまいます。
業務量の調整や、人を増やしてもらうように相談してみることもおすすめします。
ミスしてしまう
調剤過誤などミスをしてしまうと責任感を感じて辞めたいと思ってしまいます。
自分には薬剤師が向いていないのではないかと自分を責めてしまいがちです。
人がやっている仕事ですのでミスは少なからず発生します。
ミスをしないように気を付ければ良いと割り切ることも必要です。
また、ミスが起こりやすいのは職場環境が原因でもあります。
職場の整理整頓やチェック体制などを見直してみましょう。
同じことの繰り返し
処方箋への対応など日々同じことの繰り返しでやりがいが感じられず、辞めたいと思うことがあります。
パートではなく正社員への登用を目指していたり、スキルアップを目指していたりする場合は、同じことの繰り返しがつまらないと思いがちです。
同じ業務でもミスなくこなすことも立派な仕事です。
患者さんの役に立っていることを今一度意識して働くことで、仕事の意義も見出せるかもしれません。
患者さんからのクレーム
最後に、患者さんからクレームが挙げられます。
薬剤師は患者さんとのコミュニケーションが必要な仕事です。
体調が悪く、ある程度ストレスを抱えた人が来る場所なので、小さなミスが大きなクレームにつながることもあります。
細心の注意を払ってコミュニケーションをしなければならず、これが働く薬剤師のストレスになることもあるのです。
パートで働くことが向いている薬剤師とは?
正社員で働いた方がいいのか、このままパートを続けた方がよいのか悩んでいる方もいるでしょう。
あなたの希望する働き方によってはパートの方が向いている場合があります。
パートで働くことが向いている薬剤師の特徴について見ていきましょう。
希望する時間帯で働きたい
まず、フルタイムで残業ありではなく、ある程度決まった時間で働きたいという方はパートに向いています。
残業があると子供の送り迎えや家事など、今日はこれをやりたいと思っていたことができない場合もあるのです。
残業があることで、家族の誰かに家事負担が集中してしまうと関係悪化につながりかねません。
働く時間が想定しやすく、プライベートの時間を確保しやすいのはパート勤務です。
給与よりもやりがい重視
パート勤務だと正社員より給与は低くなりがちです。それでも、決まった時間内でやりがいをもって働きたい、余裕をもって働きたいならパート勤務がおすすめです。
正社員と同じくらいの仕事を任されるのか、パート勤務の場合は任せる業務を調整しているのか、職場によって様々です。
患者さんとの丁寧なコミュニケーションや役に立っているというやりがいを重視したいなら、パートで余裕をもって働ける職場を選びましょう。
管理職になりたくない
管理職になりたくない方はパートを選ぶことをおすすめします。
正社員の場合は、若手の薬剤師でも異動配置の結果すぐに管理薬剤師になってしまうこともあるようです。
管理薬剤師になると、在庫管理、数値管理、医師とのコミュニケーションなど管理職ならではの仕事も任されます。
中間管理職ゆえのストレスも大きく、休みも取りづらくなってしまいます。
責任ある立場になるよりは、時間や業務に融通が効きやすい働き方を望む場合はパートを選ぶとよいでしょう。
家族との時間を優先したい
家族との時間を優先したい場合もパートがおすすめです。
薬剤師として働くのは家族との生活を豊かにするためです。
仕事によって家族との時間が減ってしまうと、子供の将来のためにも良くないと思う方もいるかもしれません。
プライベートの充実度を高めるために仕事があると考える方は、パートで働く方が合っているでしょう。
働き方はライフステージに合わせて柔軟に変えていくこともできます。もっと収入が欲しい、スキルアップしたいとなったときに働き方を見直してみてもよいかもしれません。
登録すべき転職サービス3選
パートを辞めたい、働き方を変えたいと思ったら、転職サービスへの登録から始めてみましょう。
パートでの勤務に強い転職サービスもありますので、複数のサービスを登録して求人を比較しながら転職活動を進めてみましょう。
下記の3つがおすすめのサービスですので、参考にしてみてください。
ファルマスタッフ

- 大手の調剤薬局グループが運営する老舗サービス
- コンサルタントが現場の生きた情報を提供
- 教育サービスも受けられる
ファルマスタッフは大手調剤薬局チェーンの日本調剤グループが運営する老舗の転職サービスです。
求人を検索するときも、「18時までの求人」「ブランクあり歓迎」など条件設定が細かくでき、使いやすいサイトです。
コンサルタントが職場の雰囲気や忙しさなどを熟知しており、現場の生きた情報を元に求人紹介してくれるので、あなたにあった求人が見つかります。
派遣スタッフや、福利厚生の良い求人が多く、年収も600万円以上の求人を多く保有しています。
また、グループ会社の教育ノウハウを生かして、手厚い教育環境を提供してくれます。
自宅でeラーニングやキャリア支援を受けられ、パートで働きながらもよりスキルアップしたい方におすすめのサイトです。
薬キャリエージェント

- 正社員を目指す方におすすめ
- 医療業界トップ企業が運営する幅広いネットワーク
- 実績豊富で、交渉力に定評あり
薬キャリエージェントは、登録者数が業界No.1の大手転職サービスです。
薬剤師の半数が登録するエムスリーグループが運営しているサービスですので、幅広いネットワークを生かした転職支援が受けられます。
豊富な求人を保有し、年収600万円以上の高給与求人も多くあります。
今後のキャリアを考えて正社員への転職を考えている方へおすすめです。
コンサルタントは地域専任で、大手から地域密着型薬局まで幅広く精通しています。
実績が豊富なので、勤務条件の交渉力が強いことも魅力です。
早期に転職を考えている方には、連絡が取れた方から限定・非公開求人を紹介してくれるようです。
対応スピードも実績も安心して任せられるエージェントと言えるでしょう。
マイナビ薬剤師

- 20~40代に特化
- 全国展開で非公開求人が40%
- 担当者が現地で薬剤師に直接会ってリサーチ
マイナビ薬剤師は、新卒採用大手のマイナビが展開する薬剤師に特化した転職サービスです。
20~40代の求人に特化しています。
全国にオフィスがあり、企業ごとに担当コンサルタントが付き、現地に薬局長や薬剤師に会いに行って徹底的にリサーチしてくれます。
求職者の要望を伝えるセミナーなども開催していて、要望が伝わりやすいのです。
働き始めた後のイメージがわきやすく、あなたにあった求人が見つかりやすいサービスです。
人気求人や枠が少ない求人、登録者のみに紹介できる非公開求人が40%を占めています。
こんないい求人があったのに!と後悔しないように登録しておきましょう。
パートタイムの薬剤師が仕事を続けるメリット
ここではパートタイムの薬剤師が仕事を辞めるメリットについて解説します。
時間の融通が利く
パートタイムの薬剤師が仕事を続けるメリットの一つは、時間の融通が利くことです。
パートタイムの勤務はフルタイムに比べて労働時間が短く、週の勤務日数も限られています。
このため、自分のスケジュールを柔軟に調整できるのはメリットです。
家庭の事情や他の予定との調整がしやすく、ライフワークバランスを取りやすいとされています。
特に子育てや学業、他の仕事などと両立したい場合、パートタイムの薬剤師の仕事は選択肢として理想的です。
副業や趣味に時間を割ける
パートタイムの薬剤師の仕事を続けるメリットは、副業や趣味に時間を割けることです。
勤務時間が短いため、余暇が増え、他の興味や能力を追求する時間を確保できます。
副業によって収入を増やすことも可能ですし、趣味に没頭することでストレス解消や生活の充実感を得ることができるでしょう。
自己成長やプライベートな目標達成に向けて、より多様な経験を追求することができる利点と言えるでしょう。
家庭とのバランス
パートタイム勤務は勤務時間がフルタイムに比べて短いため、家族や子育てとの時間をより充実させることができます。
仕事と家庭の両立がしやすくなるため、子供の面倒を見る時間や家族とのコミュニケーションが増えることが期待できます。
家庭の重要なイベントや行事にも参加しやすくなり、家庭との絆を深めることができるでしょう。
仕事とプライベートの調和を重視する方にとって、パートタイムの薬剤師の仕事は家庭とのバランスを取るうえで有益な選択肢となります。
健康やリフレッシュのため
フルタイムの仕事は長時間の勤務が求められることがあり、身体的・精神的な健康に負担をかけることがあります。
一方、パートタイムの勤務は労働時間が短く、仕事とプライベートの時間をバランスよく確保できるため、リフレッシュやリラックスの時間を持つことが可能です。
休息や趣味、運動などに時間を割くことで、心身の健康を維持し、仕事に対するモチベーションも向上することが期待されます。
健康を大切にする人にとって、パートタイムの薬剤師の仕事は自己の健康を守るための選択肢として魅力的です。
パートタイムの薬剤師が仕事を続けるデメリット
次に、パートタイムの薬剤師が仕事を続けるデメリットを解説します。
収入の面での不安定性
パートタイムの薬剤師は、フルタイムの薬剤師に比べて労働時間が短いため、収入が安定しない可能性があります。
月給やボーナスなどの給与面での不安定性が生じ、生活費の見通しが難しくなることがあるでしょう。
特に、急な出費や経済的な負担に対応することが難しくなるかもしれません。
キャリアアップの制約
パートタイムの薬剤師は、勤務時間が限られているため、フルタイムの薬剤師よりもキャリアアップの機会が制約されることがあります。
昇進や管理職への道が狭くなることで、キャリアの発展や専門性の向上に対する課題を抱える場合も多いです。
キャリアに対する成長意欲が高い人にとって、パートタイムの薬剤師の仕事はキャリアの制約に繋がるかもしれません。
福利厚生の制限
パートタイムの薬剤師は、フルタイムの薬剤師と比べて福利厚生や社会保障の制度が制限されることがあります。
健康保険や退職金制度など、安定した福利厚生を享受する機会が限られることで、将来の安心感に欠けるかもしれません。
また、労働条件や休暇制度などもフルタイムの薬剤師よりも制約がある場合があり、働き方に対する満足度に影響を及ぼす可能性があるでしょう。
パートタイムの薬剤師が人間関係が理由で転職する際の注意点とは
パートタイムの薬剤師が人間関係が理由で転職する際の注意点は、以下のように3つあります。
原因を明確に把握すること
人間関係が理由で転職を検討する場合、まず原因を明確に把握することが重要です。
何が問題となっているのか、具体的なトラブルやコミュニケーションの障害があるのかをよく理解することで、将来の職場で同じ問題が再発しないように対策を立てられるようになります。
過去の経験を踏まえて、次の職場で人間関係に対する不満を解消できるような職場選びをすることが大切です。
新しい職場の人間関係を確認すること
転職先の職場での人間関係が同じような問題を抱えていないかを確認することも重要です。
面接や職場見学などを通じて、職場の雰囲気や社員同士のコミュニケーションを注意深く観察しましょう。
過去の経験から学び、新たな職場での人間関係に対するリスクを減らすことが転職の成功につながります。
コミュニケーション能力の向上と自己対策
人間関係の問題は一方的に相手の問題だけでなく、自分自身のコミュニケーション能力や対応にも関係しています。
転職前に自己分析を行い、コミュニケーション能力の向上や人間関係に対する対策を考えることが重要です。
自己成長を図り、対人関係において上手く付き合っていくためのスキルを身につけることで、職場での人間関係に対するストレスを軽減することができるでしょう。
人間関係が悪い職場に転職しないための方法
人間関係が悪い職場に転職しないためには、以下の3つの方法を試してみてください。
職場の評判や口コミを確認する
転職を検討する際は、候補となる企業や職場の評判や口コミを確認することが重要です。
インターネットの転職サイトや企業の社員レビューなどを参考にして、その職場の雰囲気や人間関係についての情報を収集しましょう。
過去の社員の経験談や評価を参考にすれば、人間関係が悪い職場を避けることができます。
面接時に質問を積極的にする
面接の際には、自分が転職を希望する企業や職場について、積極的に質問をしましょう。
人間関係に関連する質問として、職場のコミュニケーションスタイルやチームワークの取り組み、上司や同僚との関係についてなどを尋ねることが大切です。
面接官の回答や雰囲気から、その職場の人間関係についてのヒントを得ることができるでしょう。
職場見学や社員との交流を重視する
面接だけでなく、職場見学や社員との交流を重視してください。
実際に職場を訪れ、社員と直接話すことで、その職場の雰囲気や人間関係をよりリアルに感じることができます。
社内の人間関係が良好であれば、社員たちとのコミュニケーションもスムーズに行えるでしょう。
自分が居心地の良い職場を見極めるために、できる限り多くの情報を収集しましょう。
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